テーマ

 富士山の撮影では、テーマを決めることが第一だと思ってます。どんな写真を撮りたいかによって、撮影時期・場所・時間が決まってくるからです。ただぶらっと出かけても良いのは撮れないと思ってます。

 思いつく富士山の写真をあげてみました。いつでも撮れるテーマと、時期が限られるテーマがあります。両方を組み合わせて一日の行動パターンを決めるようにしています。

  時期/場所が限定されないテーマ

朝焼け

 朝焼けの写真には二とおりあります。富士山に朝日が当たって赤く染まる写真と、富士山はシルエットで空が赤く焼ける写真です。

 これは撮る場所によって決まります。前者は富士山の東側から、後者は西側から撮るとこのようになります。従って、どちらのタイプの写真を撮ろうとするかで、朝出かける場所が決まってしまいます。住んでる場所や高速道路の有無によって行きやすい場所が決まってくるので、しばらくそこに通ってみることをお勧めします。

 朝は、日の出1時間前ぐらいから空が白んで富士山の輪郭が見えてきます。輪郭が見え始めたら、どんどん撮ってみて下さい。

 富士山の雄大さを表現するには、少し離れた高い場所からの撮影が適しています。定番スポットはこのような場所です。

定番スポット

大観山乙女峠、水ヶ塚、富士五湖、二十曲峠、三つ峠、朝霧高原、達磨山、三国峠、櫛形山、足柄峠 など

 富士山上空の色々な形の雲や、富士山にかかった色々な雲を撮ってみましょう。ある程度富士山を撮ってみると、ピーカンの富士山より、雲がある方がおもしろくなります。この写真はどこからでも撮れます。

雲海

 雲海の上に富士山が見えるような写真です。これは、雲よりも高い所から撮るしかないので、場所は限られます。その場所によって雲海の出やすい時期もありますが、秋しか見えないというものではなく、いつでも可能性はあります。でも、気象条件によるので、当たるかどうかは運ですね。

定番スポット

大観山乙女峠、二十曲峠、三つ峠、三国峠、櫛形山、足柄峠 など

笠雲

 天気が悪くなる前ぶれといわれている笠雲ですが、見えるのは年に数日です。どこからでも撮れますが、運次第です。

吊し雲

 富士山の山頂から少し離れた位置に出現する雲です。風があっても流れていかずに、同じ場所にとどまっています。どこからでも撮れますが、これもあまりお目にかかれません。

彩雲

 富士山山頂近くに太陽があるとき、近くに雲があると これが虹色に染まることがあり、「彩雲」と呼んでいます。どこからでも撮れますが、雲の厚さが適当でないと見られません。

湖/川

 富士山の周辺には色々な湖があり、格好の撮影ポイントになっています。気象条件によっては霧がかかることもありますが、ガスの切れ間からの富士山も絵になります。

定番スポット

山中湖河口湖西湖精進湖本栖湖芦ノ湖、田貫湖、富士川

逆さ富士

 湖や池、川の水面に富士山が逆さまに映った写真です。水面に波があると映らないので、無風の状態でないと撮れません。朝と夕方は風が止まることが多いので、撮りやすいかも知れません。地形的なものや、湖の大きさによって波の立ち安さが決まるので、撮りやすいと思う場所を挙げておきます。

定番スポット

精進湖山中湖 本栖湖など

 海に浮かぶ富士山、海岸美と富士山の組み合わせの写真です。これは、西伊豆がメインになると思います。湘南あたりからでも撮れます。富士山との距離があるので、時期的には霞みやすい夏場より 冬の方が良いです。

定番スポット

大瀬崎、戸田恋人岬、雲見、達磨山 など

茅葺きの家

茅葺きの家、池、富士山の組み合わせで、絵はがきで見たことのある人も多いと思います。新緑、雪景色と年中撮れます。あれは忍野村にある、資料館の中からの写真なので、入場料(300円)が必要です。また、開館は9時なので、朝早く行っても無駄です。

ダイヤモンド富士

富士山の山頂から太陽が顔を出す瞬間、逆に夕方 沈んでいくときに山頂に消える瞬間を捕らえた写真です。太陽−富士山頂−撮影者が一直線上にあればいいので、いつでも撮れます。湖面に映った逆さ富士の山頂にも太陽が煌めいてる場合を、ダブルダイヤモンド富士と呼び、特に人気があります。こちらは時期・場所が限定されます(混みます)。

定番スポット

ダブルダイヤ:田貫湖(4月20頃、8月20日頃)、山中湖(3月頃)

夕焼け

 夕焼けは朝焼けと光線状態が逆になると思えばいいです。順光で撮るか、逆光で撮るかで場所を決めます。

夜景

 市街地や港の明かりをアクセントにしたり、月明かりに浮かび上がる富士山星/月を入れてみたり という風に、夜でも富士山の写真は撮れます。

定番スポット

乙女峠大観山、日本平、御坂峠 など